安保徹先生の病気にならない常識を読んで

活字が大きく読みやすい

日頃当たり前と考えられている医療の常識が実は間違っていることを丁寧にわかりやすく書かれている

細胞内のミトコンドリアの働きを活発にすることが重要で
体温をあげて酸素を充分体内に取り入れることで大抵の病気は防ぐことができる

血液サラサラが必ずしもいいとは限らない

癌の三大療法は癌の勢いを取り戻してしまう

早期発見のためのガン検診にメリットがない

血圧は下げなくてもいい

癌、脳心臓血管疾患、糖尿病、アレルギー、自己免疫疾患の原因と治療法について説明されている

面白いのは
ミトコンドリア働けば栄養のバランスが悪くても構わないという箇所

このような本を読むといつも思うのは
その時いいといわれる治療法、薬、食べ物があっても
その結果がわかるのはずっと後だということ

数十年して、あれは間違いだ、ということはよくある

双極性障害の治療でも同じことが言えると思う

SSRIが出始めた頃
副作用の少ないいい薬が開発されたということで
鬱は誰にでも起こる可能性があるものだから
積極的に受診するよう促す動きがあった
その多用のために双極性障害Ⅱ型が増えたという報告がある

治療をしないで
薬を飲まなかったから悪くなるのはイヤだが

薬を飲んだから悪くなる
はやってられない

内海健先生の双極Ⅱ型に関する本をよんで

少し難しかったが

内海健先生の双極性障害Ⅱ型の患者に対する洞察力に感嘆させられた

この先生が現在
臨床医師をしておられないのが残念

もし診察を受けることができたなら
ぜひ診ていただきたい

双極性障害Ⅱ型を
たんに
軽そうとうつを繰り返す疾患と
表しているものが多いなか

深い観察力で双極性障害Ⅱ型の患者の様子を表している

長年わからなかった自分の状態を説明してもらえたようで嬉しかった

双極性障害は患者ひとりひとりの病状が一貫せず
多岐にわたるので
研究対象になりにくいと
きいた
偏見を減らすために
このような本が多く出版されるといいと思う

断薬してもずっと調子が良い人のデータはあるのだろうか

良くなっても一生薬を飲み続ける双極性障害

治療しないととても再発しやすく
そうと鬱の波が頻繁になり
薬が効きにくくなる


再発すれば患者は受診し
躁鬱の状態が悪化してることがわかる

でも
薬を止めても再発しない人は受診しない

薬を止めても調子の良い人のデータはあるのだろうか

薬の悪影響を考えると
やはりあまり飲みたくない

双極性障害の、あの人はああだから、と言われてしまう性格について

抗不安薬という薬がある

薬によって不安を感じなくなる、なんて信じられなかった

飲んでみると確かに不安から逃れられる
実際の不安を起こす物事は解決していないのに
薬を飲むと余計な不安から遠ざかることができる

とにかく不安で不安で仕方がない、状態はなくなる

きっと人が不安を感じるときは、脳のなかで不安になる化学物質が作用していて

抗不安薬を飲むとそれが押さえられる

不安や快感が脳内の物質で起きているのだから
他の感情もきっと同じなのだろう


双極性障害の人の性格は
もともとの性格なのか、病気のせいなのかわからない、と聞いたことがある

そうと鬱の波は脳内の物質によって起きる

それ以外の
思いつきで行動したり
空気を読まなかったり

あの人はああいう性格の人だから、といわれてしまう性格も

この双極性障害を持っているからこそでてしまう特徴らしい

私のこの性格は双極性障害のせいです

なんていっても言い訳にしかならないけれど

こういう研究がもっと進んでくれたらいいと思う

芸術性と双極性の遺伝子

画家、作家、音楽家など創作性の仕事をする人に双極性障害が多い、というのは前からいわれていた

研究により創作性と双極性障害のDNAが遺伝子上の近い場所にあるということがわかった

浮き沈みのある波乱万丈な生活のはてに双極性障害になるというよりは

双極性障害の素因を持つ人には創作性の素因も同時にあり

結果、芸術家に双極性障害が多いということになる

芸術家には物に感動する心が必要となり
気持ちの高揚の激しい双極性障害がマッチするのかもしれない


努力し続けることにも遺伝子があることがわかり

創作性と努力し続ける遺伝子を両方持つ人が
方向性を間違わずに環境に恵まれた場合に天才に育つ

なんでも遺伝子で決まってるのは少しつまらないが
子供に無理な期待をすることにより発症する場合もあるから

個々の適性は生まれながらに遺伝子により決まっているということを、ある程度知るのはいいことかも知れない

遺伝子があっても100パーセントなるとは限らないこともあるから
努力のしがいもある